住民の生活道路を照らす街路灯のLED(発光ダイオード)化が東北6県で進んでいる。県庁所在地のLED化は秋田、青森、山形の3市が完了。仙台市は約9万灯のうち約8万灯、盛岡市は約1万5千灯の9割、福島市は4割近い約7千灯となった。23市町村が環境省の補助でLED化しており、独自に取り組む市町村も多い。(石田征広)
◆虫つかず寿命10年
LED化した街路灯は、省エネルギーだけでなく、水銀灯や蛍光灯と同じ光量でも感覚的に明るく見える。虫もつかず、寿命も3倍以上とあって、城下町でほの暗い小路が多かった盛岡市民の反応も良好だ。
東北6県で最速の平成24年度に街路灯のLED化を完了したのは秋田市だった。市内に約2万8500灯ある街路灯を秋田電気工事協同組合(秋田県中央部の電気店170社が参加)に委託して10年リースのLEDに取り替えた。
省エネ改修にかかわるすべての経費を光熱水費の削減分で賄うESCO事業(公募型)で、40ワットが多い水銀灯や蛍光灯の街路灯を電気代が半分以下になるという10ワット未満のLEDに交換、電気代の減少分がLED化の原資になる。
秋田市は街路灯の電気代の8割を町内会に補助。LED化には5億3500万円かかった。LEDの寿命は10年で、この間に市が補助する電気代の減少分で回収する。市の負担は増えず、二酸化炭素削減にもつながる。
青森市の街路灯は約3万3千灯。市所有で水銀灯や蛍光灯だった約2万8千灯を秋田市と同じESCO事業で26年度にLED化した。山形市は町内会の希望を募り、24~27年度で約2万3千灯のほとんどを交換した。
◆福島市は修繕優先
仙台市は28年度にESCO事業で一挙に約6万8千灯をLED化、29年度末で約8万灯まで増えた。盛岡市は30年度中に約1万5千灯のLED化を終える。福島市は修繕や新規の街路灯を優先、年間1千灯のLED化を目標とする。
29年度で終了した環境省の補助事業では東北6県の23市町村がLED化。青森が黒石市、十和田市、つがる市を含む14市町村、岩手が北上市と遠野市を含む4市町、山形が鶴岡市と酒田市、秋田が仙北市、宮城が名取市、福島が相馬市。
水銀灯や蛍光灯の街路灯はほとんどのメーカーが生産を終了。リース会社の担当者は「街路灯のLED化はいつやるかの段階」と話し、さらに加速しそうだ。