静岡県富士市島田町の野菜工場「富士山グリーンファーム」(久保田紀之社長)が、発光ダイオード(LED)照明を使った完全人工光型の水耕栽培方式で、レタスなどの本格的な生産と出荷を始めた。このほど披露式があり、久保田社長は「富士山の名前にふさわしく、誇りを持って世界に羽ばたきたい」と話した。
同社は2016年9月、市内で不動産業を営む平和ハウジングと植物工場を全国展開するファームシップ(東京)が共同出資で設立した。工場は、平和ハウジング所有の物流倉庫を活用した建築面積4351平方メートル。食品会社との契約期間が切れ、遊休資産になっていたという。改装と施設整備を行って昨年12月に完成した。
野菜は、天候に左右されない安定供給と無農薬が特徴。リーフレタスやサラダ菜、ケールなどを生産し、1月から首都圏の小売店などに出荷している。種まきから出荷まで30~35日。最大で日産1万2000株(リーフレタス換算)を生産できるという。太陽光の代わりにLED1万2000個余、土の代わりにロックウールと呼ぶ人造鉱物繊維を用い、養液や温度、湿度、電力などをシステム管理している。
披露式は、関係者64人が出席し、テープカットした。小長井義正市長は「遊休倉庫を活用した最先端技術の工場。新しい取り組みは、大変心強い」と祝福した。