環境省は、工場等における「CO2削減ポテンシャル診断」の結果を活用し、CO2削減が十分に進んでいない業種等に対して、新たなCO2削減対策等を検討するための事業について、三菱総合研究所(共同事業者:省エネルギーセンター)を委託契約候補先として採択した。
環境省では2010年度より、工場や事業場でのエネルギー起源CO2排出削減ポテンシャルを、専門の診断機関が診断し、対策を提案する取組みに対して、財政面等の支援を行う診断支援事業を実施している。今回の「新たなCO2削減対策等を検討するための事業」は、さらなるCO2の削減を推進するため、これまで実施してきた「CO2削減ポテンシャル診断」の結果(エネルギー使用実態や診断された削減対策の経済性)に基づき、行うもの。
具体的には、今後、製造過程や民生需要分野のうち、最近10年程度の間、CO2の削減が十分に進んでいないと考えられる業種やプロセス、設備・システム等を選定し、「CO2削減ポテンシャル診断」の手法の活用により、原因を明確にするとともに、その解決策を技術開発や実証等の視点から整理し早期導入へのロードマップの策定を進めていく。
日本が2030年度に2013年度比で26%の温室効果ガスを削減する目標を達成するためには、製造過程や民生需要分野において一層の削減対策を講じる必要がある。そのためには、既存の先進的機器を導入するだけでなく、CO2の削減に十分な対策が講じられていない、あるいは一層の削減が期待できるプロセスや箇所を明確にし、効果的な対策を導入していくことが求められる。
このため、環境省が実施してきた「CO2削減ポテンシャル診断」の手法を活用し、CO2が十分に削減できていないプロセスや機器・システム等について、その原因を技術面、資金面、経済面、維持管理面等から解析することにより解決策を示すことが期待できる。
そこで、今回、平成28年度CO2削減ポテンシャル診断結果を活用した新たな削減対策等検討する業務を実施する事業者の公募を実施し、応募のあった3件から、1件を委託契約候補先として採択した。
【参考】
環境省 - CO2削減ポテンシャル診断結果を活用した新たな削減対策等検討委託業務に係る公募の採択結果