
経済産業省は、「エネルギー原単位の改善」「エネルギー管理の単位の拡大」「サードパーティの活用」の3つの柱で新たな省エネ施策への転換を検討している。8日に開催した省エネルギー小委員会(第18回)において、施策の概要をまとめた資料を提示した。
具体的には、事業者の自発的な省エネの取組みを引き出すために、(1)エネルギー原単位改善に取り組むインセンティブの強化、(2)エネルギー管理の実態に合った規制や補助制度の構築、(3)サードパーティの活用による省エネポテンシャルの掘り起こしについて、施策を検討していく。
エネルギーミックスが目指す成長と省エネの両立に向け、GDPに対するエネルギー効率を表す「エネルギー原単位」の改善が不可欠だが、現状では、産業・業務部門については、エネルギー消費量が減少する一方で、GDPベースで年平均1.67%の改善が求められるエネルギー原単位の改善は停滞。また、省エネ法の特定事業者(産業・業務部門)についても、エネルギー消費量が減少する一方で、原単位の改善は停滞している。
そこで、省エネ取組みによりエネルギー原単位を改善し、それが収益拡大につながることでさらなる省エネ取組が実現する好循環を創出するための施策を検討すべきだとした。
新たな省エネ政策への転換に向けた3つの柱
資料では、「新たな省エネ政策への転換」について、「エネルギー原単位改善」「エネルギー管理の単位の拡大」「サードパーティの活用」の3つの柱でまとめている。
「エネルギー原単位改善」では、原単位改善を後押しするために、省エネ量だけではなく、原単位改善率に着目した支援制度の充実が必要だとしている。

「エネルギー管理の単位の拡大」では、サプライチェーン単位やグループ会社単位などでの省エネを促進する支援制度を充実させていく考えだ。

「サードパーティの活用」では、中小企業や消費者に直接アプローチできるサードパーティへの働きかけを強め、さらに省エネを進めるため、支援制度の充実を検討すべきだとした。サードパーティの例として、「ZEHビルダー」(2020年度までに提供する住宅の過半数をZEH化することを宣言した工務店・ハウスメーカー・設計事務所等)、「エネマネ事業者」(エネルギー管理支援サービスを通じて工場・事業場等の省エネ・電力ピーク対策を支援する者)、全国19の「省エネルギー相談地域プラットフォーム」(省エネ支援事業者が地域の専門家と協力して作る「省エネ支援の連携体」)、需要家と顧客接点のある「エネルギー小売事業者」をあげる。

これらの施策については、予算措置を検討する。
【参考】
経済産業省 - 省エネルギー小委員会(第18回)‐ 配布資料