経済産業省と環境省は、2013年度の電気事業者ごとの実排出係数・調整後排出係数と排出係数について、東京電力(東京都千代田区)から提出された資料に排出係数の算定誤りがあったため告示改正を行った。各排出係数は訂正前と比較し、微増した。
両省によると、これらの係数は各電気事業者から提出された資料などに基づいて確認し、新規参入の新電力の係数更新のため告示改正を行い、2015年7月14日付の官報に掲載した。
しかしその後、東京電力から提出された資料に排出係数の算定誤りがあったことが判明し、7月24日付でその旨を報道発表した。これを受け、係数を修正するための告示改正を行い、2015年8月27日付の官報に掲載した。
なお、わが国全体の温室効果ガス排出量を算定する際には、個別の電気事業者の排出係数は使用していないため、今回の東京電力の排出係数の誤りによるわが国全体の排出量への影響はない。
「2014年度の排出量は出しなおさなくてもいいよ」
地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、二酸化炭素などの温室効果ガスを一定量以上排出する事業者(特定排出者)は、毎年度、温室効果ガス算定排出量、京都メカニズムクレジットや国内認証排出削減量などを反映した調整後温室効果ガス排出量を事業所管大臣に報告することが義務付けられている。
2015年7月末までの報告書提出が義務付けられていた、2014年度温室効果ガス排出量については、この改正(訂正)を踏まえて特定排出者に報告書の再提出を求めることはしない。ただし、特定排出者が自ら希望して、告示改正後の排出係数に基づき報告書を修正する場合は、2015年11月末までの間は受け付ける。
また、地球温暖化対策の推進に関する法律の規定に基づき、政府と地方公共団体は、温室効果ガスの排出の量の削減並びに吸収作用の保全および強化のための措置に関する計画(「政府実行計画」「地方公共団体実行計画」、あわせて「実行計画」)を策定することが義務付けられている。この中で、政府と地方公共団体は、毎年1回、温室効果ガス総排出量を含む実行計画に基づく措置の実施の状況を公表することとされている。