昭和電工(東京都港区)は、同社の植物工場ユニット「SHIGYO®ユニット」が、協栄興業(愛知県東海市)が運営する大規模植物工場(岐阜県美濃市)に採用されたと発表した。
今回採用されたのは、特許技術である高速栽培法「SHIGYO®法」と、本技術の効果を最大限に引き出すよう設計されたLED照明のほか、アルミニウム製栽培ユニット、断熱パネルがパッケージされたシステム。
協栄興業は、消費者の「食の安全・安心」への関心に応えるために、植物育成に最適な環境(光・温度・湿度・二酸化炭素・養液)に完全制御した植物工場を建設する。同工場は、敷地面積 約3,000平方メートル、工場面積 約1,500平方メートル、生産エリア700平方メートル、日産 約3,000株。
主にフリルレタス、サニーレタス、ロメインレタス、サラダほうれん草、ベビーリーフなどの葉物野菜を栽培するほか、工場内には研究室を設け、通常生産とは別に栄養価の高い機能性野菜や薬草、果物の研究生産を進める。2016年4月に完成、7月より製造販売を開始する予定。
昭和電工と山口大学が共同開発した栽培技術。品種や生育時期に合わせた波長と強度の光を照射する高速栽培法。
植物の光合成に最適な深紅色(波長660nm)を世界最高効率で発光できる昭和電工独自のLEDと、青色LED(波長450nm)を搭載。蛍光灯に比べ発熱量が少なく、空調などの電気代を抑えられるとともに、SHIGYO®法の光照射プログラムに合わせてそれぞれの光の強度を容易に変更できる。
均一に光を照射できるよう、LED照明の配置に工夫し、反射板を内蔵した植物工場専用の栽培棚。素材は耐食性に優れたアルマイト処理のアルミニウムを使用。着脱式で手入れがしやすい照明カセットと水耕栽培用の水槽(プール)を装備している。
完全閉鎖型の植物工場で求められる断熱性と、菌や害虫の侵入を防ぐ密閉性を持つパネル。植物工場の天井・壁を断熱パネルで覆い、断熱性・密閉性を実現する。