パナソニックが、2015年度中に住宅向け蛍光灯器具の生産を終える。政府は20年までにすべての照明を省電力のLED(発光ダイオード)製にすることをめざしている。照明国内首位のパナソニックが業界の先陣を切ることで、家庭の蛍光灯がLEDになる流れが進みそうだ。
すでに照明器具メーカー各社は、LEDに大きくシフトしている。パナソニックの場合、国内の住宅向け照明器具ではLEDが8割(出荷ベース)。節電意識の高まりや価格下落で、普及が進んだという。
蛍光灯器具の生産を終える理由について、ライティング事業部の植田豊志グループマネジャーは「導入時の初期費用でも、LEDは蛍光灯と同水準に下がってきたため」と話す。ただ、すでに器具を持つ消費者の交換需要があるため、蛍光灯自体の生産はしばらく続ける。
パナソニックは13年秋以降、東芝ライテックや日立アプライアンスは12年度から、蛍光灯器具の新製品を開発していない。まだ生産終了については方針を固めていないものの、日立は「LED化の動向をみながら判断したい」(広報)としている。
照明専業メーカーは、もう少し早く「脱蛍光灯」を選ぶ可能性がある。オーデリック(東京都)やコイズミ照明(大阪市)は「蛍光灯器具の生産も続けているが、終えるのは時間の問題」と口をそろえる。