アイリスオーヤマは、本社も中央研究所も宮城県内に置く、東北地方を主な拠点とする企業。そんな同社が大阪に研究開発拠点を設置した理由、それは「大手電機メーカーを退職した中途技術者の獲得」である。
2011年後半から2012年にかけて、パナソニックやシャープなどの大手電機メーカーが次々と人員削減を含むリストラを断行したことは記憶に新しい。大阪は、パナソニックやシャープが本社を構え、技術開発拠点も多く存在する。アイリスオーヤマはその大阪に研究開発拠点を設ければ、両社などから流出する優秀な人材を獲得しやすいと考えた。
シャープなどが大規模なリストラ策を発表したのが2012年夏。それからのアイリスオーヤマの行動は速かった。「2012年10月中には大阪に研究開発拠点を構える経営判断を下した」(同社常務取締役研究開発本部長の大山繁生氏)という。そして、同年12月には大阪で会社説明会を開き、2013年5月現在までに約30人の中途技術者を採用した。採用は現在も続いている。