アイリスオーヤマ(本社仙台市)は、「業界トップクラス」(同社)の発光効率170lm/Wを実現する直管形LEDランプ「ECOHiLUX HEα」を2014年3月末に発売すると発表した。量販店や工場などでの使用に向けたもので、参考価格は1万2500円(税込み)。同社は2014年1月14日に開催した記者発表で、「高効率化と低価格を同時に実現したことで最短約2.2年(FLR式蛍光灯から置き換えた場合)で初期投資コストを回収できる」(同社)点を強調した。
同社がコスト面でのメリットを前面に打ち出すのには理由がある。同社は2009年、競合他社よりも低価格のLED電球を発売し、消費者向けLED照明市場でシェアを拡大してきた。その後、電球だけではなくシーリングライトやペンライトなども開発して売り上げを伸ばしてきたものの、価格下落が進んだことから同市場での成長が頭打ちとなった。ここ数年、その次の成長株として頭角を現してきたのが、量販店やオフィス、工場などでの使用を見込んだ法人向け直管形LEDランプだ。同社は2010年に法人向け市場に参入し、2013年までに「法人向け直管形LEDランプでシェアNo.1になった」(同社)。
法人向けではコスト面でのメリットが何よりも重視される。LEDランプは、蛍光灯に比べて消費電力が小さいが売価が高い。そのため初期投資をいかに早く回収できるかがポイントになる。そこでアイリスオーヤマでは「先に売価を決め、そこに収まるように製品の開発を進める」(同社LED開発部照明設計課マネージャーの奥村明彦氏)方法を採用しているという。
ECOHiLUX HEαで高効率化と低価格を両立するために同社は、幾つかの手段をとった。高効率化では、(1)高効率LEDチップの採用、(2)電源回路の発熱ロス削減、(3)拡散カバーの改善、の3つを実施。価格面では、円安の影響を抑えるため、国内で生産ラインを立ち上げて生産拠点を中国工場から国内工場に移行させた。
HEαの他に、発光効率140lm/Wの「HE140」と同160lm/Wの「HE160」も用意する。参考価格は前者が9000円(税込み)、後者が1万500円(同)。後者はHEαと同じく2014年3月末に、前者は同年2月1日に発売する。